2013年4月4日木曜日

デノボトランスクリプトームにもどうぞ

企業が主催するウェビナーは好きです。
ライフサイエンス系のウェビナーは、時間が許す限り、見ようと思います。
IT系だと昔から結構普通にありましたが、最近2、3年は、バイオ系の会社も講師を呼んでセミナーをして、それをネットで生放送するのが流行りになりつつあります。

企業のウェビナーと言えば、今日(もう昨日かな)、4月3日に参加したのが、イルミナ社のウェビナー。 時間も夕方だったので、オフィスの何人かと見てました。
最近注目しています。 内容も面白い。 本音で語る演者をうまく厳選している感じです。
やるな。

あまり褒めると立場上アレなのでコレくらいにして。

今日のお話は、基礎生物学研究所 生物機能解析センターの、重信 秀治先生による、「非モデル生物のRNA-seq解析 -- 実験デザインから解析パイプラインまで」 でした。

見逃した方も、イルミナ社のサイトから録画を閲覧できます。 ここから

今日はデノボトランスクリプトームがテーマで、これは私もとても興味のある分野です。

重信先生は、リファレンスの無い生物のRNA-Seqをしてアセンブルするツールに、Trinityを勧めていました。 
Trinityは昔は結構メモリを食うツールで、困った経験があります(2011年7月22日の書き込み参照)。でも今は大分使いやすくなったそうです。良かった。
ペアエンドのイルミナHiSeqを使っていました。 例にあげられた生物種がちょっと気持ち悪(ワモンゴキブリ)かったですが、内容はとてもためになりました。
出来ればスライドの右上に登場するゴキブリの写真を、せめて可愛いイラストに変えて欲しかった。
ゴキブリ、苦手です。

非モデル生物のRNA-Seqは、目的が2つに分かれ、それぞれに実験計画が異なる、との言葉には大賛成です。
Isoformや新規の遺伝子を見つける目的には、できるだけ異なる環境や形質(卵、幼虫、蛹、成虫など)からまんべんなくたくさんのcDNAを読む。
発現量や発現比測定の目的には、統計計算できる生物学的リプリケートを用意して読む。
(個人的には、前者、新規遺伝子発見の方に興味があります。)

デノボで遺伝子候補を見つけた後に、ORF検索したり、BLASTxしたり、と、いわゆるアノテーションという作業が続くのです。 重信先生はさらっと言っておりましたが、結構大変な作業ですよ。
私もやってましたから。

それはそうと、重信先生、今後PacBioにも期待していると仰って下さいました!
多謝!

PacBioは、平均的cDNAなら全長読むことができます。
Trinityでアセンブルした結果のContigが、本当に遺伝子を反映しているのか、白黒付きます。

まだ、私もcDNAをPacで読んでの解析は、経験が浅いですが、「全長が読めている!」というのは最初感動しました。
GMAPでゲノムにマッピングして(おっと、ここでデノボでは無いのがバレてしまいました。実は非モデル生物でのcDNAサンプルはまだ手に入っていないので、モデル生物でしかやったことが無いのが現状)、IGVやUCSCブラウザで見たときに、これが一本のリードから取れた配列なのか、としばし見入ってしまいました。

モデル生物でも非モデル生物でも、全長cDNAがバッチリ読める、そんな感動を味わいたい方、PacBioいかがですか?

0 件のコメント:

コメントを投稿